5『わからないことが、わからない』

この仕事を始めて、最初にぶち当たる壁が“わからないことが、わからない”ってコト。

 

自分が知らなくちゃいけないことが、わからない。これが、恐怖!!!

 

位牌や棺を、素手で触っても いいものなのか!?…とか。

 

私は12年前に、葬儀専門の派遣事務所に 所属をさせてもらい、たった3回の研修で(もちろん有料)現場デビューをさせてもらったのはいいけれど…

 

現場の担当者に「わからないことは 聞いてね。」…と、親切に言っては頂けるものの。

まずもって わからないことが、わからないんだから 質問のしようがないんですよ。

 

で、思い切って聞いてみれば…

(たとえば、「枕花って、何ですか?」「籠盛りって?」…とか。これ、実際に私が最初にした質問。今思えば、派遣の事務所が教えといてくれなきゃいけないことだったんですけどね。)

 

「えっ!?プロのくせに、そんなこともしらないの?」

…と、嫌味を言われるから、次には怖くて聞けないし(笑)

(どれだけ現場で泣いたことやら。)

 

…いや、今でこそ 笑って話せるし、そこそこの経験があるから 

担当者にすら「何でも聞いてくださいね」…ぐらいになっちゃってますけど。

それでも、まだまだ 知らないことがいっぱいなのが 葬儀現場なのです。

奧が深く、日々進化し、人それぞれの解釈の違いを ひとつにまとめながら 進めていかなくてはならない、戦場にも近い現場。

少なくとも、私は そんな意識で 臨んでいます。

 

だから、おもしろい。

だから、やりがいがある。

 

何がわからないのか? が、 今はちゃんと わかるようになりました。

毎日 仕事をしながら、いろいろ学ばせていただける…。

こんな 素敵な仕事って…。

葬儀司会は私の天職です。